流れ星に願いごとをする話は、ロマンチックでいい。でもそれって、たまたま空を見上げたタイミングに流れ星が来るのを待つ、けっこう運頼みの遊びです。
調べてみると、流れ星には「だいたいこのへんで、たくさん流れますよ」というカレンダーが毎年あります。これを知っていれば、流れ星はある程度 予約できる。今回は 2026 年に残っている流星群と、見つけ方のコツをまとめてみました。子供と一緒に夜空を見上げる練習になります。

流星群って、結局なに?
国立天文台のサイトを読むと、流星群は 「彗星が宇宙空間に落としていったチリの帯を、地球が公転で毎年同じ時期に横切ることで起きる」 という現象です。
彗星はそのへんを通るたびにチリを少しずつ撒き散らしていて、その帯は彗星の軌道に沿って残ります。地球は太陽の周りを 1 年で 1 周しているので、毎年だいたい同じ日(数日のずれはある)に、その帯のなかを突っ切る。チリ粒は秒速数十 km の速さで地球の大気に飛び込んで、上空およそ 100 〜 150 km で光り始め、50 〜 70 km あたりで燃え尽きる ── これが流れ星です。
母彗星が違うと、流星群が違う。たとえば ペルセウス座流星群 はスイフト・タットル彗星、ふたご座流星群 はちょっと珍しく「ファエトン」という小惑星が母天体だと言われています。
「流星群の名前」(ペルセウス座、ふたご座 など)は、空のどこから流れ星が広がって見えるかという 放射点(ラジアント) がどの星座にあるかで決まっています。ペルセウス座流星群なら、空のペルセウス座のあたりを中心に、四方八方に流れ星が広がって見える、ということです。
三大流星群を覚えれば、だいたい OK
国立天文台が「主な流星群」として 11 個挙げているうち、群を抜いてよく流れるのが次の 3 つで、これを 三大流星群 と呼ぶそうです。
しぶんぎ座流星群 ── 1 月 4 日ごろがピーク。ZHR(理想条件下で 1 時間あたり見える数)約 110。
ペルセウス座流星群 ── 8 月 12〜13 日ごろがピーク。ZHR 約 100。夏の夜なので親子で観測しやすい。
ふたご座流星群 ── 12 月 14 日ごろがピーク。ZHR 約 150 で三大の中でも最多。年に一度のクライマックス。
ZHR というのは「Zenithal Hourly Rate(天頂出現数)」の略で、放射点が真上にあり、かつ月も街灯もない完全に暗い場所で 1 時間に何個見えるかという理想値です。実際に都会で見える数は、その 5〜10 分の 1 程度になります。それでも数十個流れる夜は十分にあります。
2026 年のカレンダー(残り半年版)
記事を書いている時点(2026 年 5 月 23 日)で、すでに 1 月のしぶんぎ座、4 月のこと座、5 月のみずがめ座 η は終わっています。「みずがめ座 η はちょうど 2 週間前か……」と気づいて私たちも今年は見逃しました。
けれど、ここからが大事です。残り半年に 大きな流星群が 6 つ あります。国立天文台と 流星電波観測国際プロジェクト の予報をもとに、ピーク時刻(日本時間)と月明かりの条件をまとめました。
| 流星群 | 2026年ピーク (JST) | 月の条件 | 注目度 |
|---|---|---|---|
| しぶんぎ座 | 1月4日 06時頃 | 満月で悪い | 終了 |
| 4月こと座 | 4月23日 04時半頃 | 月明かりなし | 終了 |
| みずがめ座η | 5月6日 18時頃 | 条件悪い | 終了 |
| みずがめ座δ南 | 7月31日頃 | ほぼ満月で悪い | 低 |
| ペルセウス座 | 8月13日 11時頃 | 月明かりなし(好条件) | ★★★ |
| オリオン座 | 10月22日 03時頃 | 未明に月が沈み良好 | ★★ |
| しし座 | 11月18日 09時頃 | 月明かりなし | ★★ |
| ふたご座 | 12月14日 23時頃 | 月齢 6 で久々の好条件 | ★★★ |
| こぐま座 | 12月23日 07時頃 | 満月近くで悪い | 低 |
表で青く強調した ペルセウス座(8/12-13) と ふたご座(12/14) が 2026 年の二大ピーク。どちらも月明かりがほとんどなく、流星電波観測国際プロジェクトが「ふたご座は久々の好条件」と書いているくらいの当たり年です。
2026年の本命1: ペルセウス座流星群(8月12〜13日)
夏休みの真ん中、子供が遅くまで起きていてもギリギリ許される時期。気温も真夜中で 25 度前後なので、毛布なしで観測できる ── 親子で初めて流星群を見るなら、まずこれです。
2026 年のペルセウス座流星群は、8 月 13 日 11 時頃(JST)に活動のピークが計算されています。日中なので「その時間にいちばん流れる」は見られませんが、その前後の夜(8 月 12 日夜〜13 日未明、または 13 日夜〜14 日未明) が観測のチャンスです。国立天文台の予報では、空の暗い場所で 13 日の夜明け頃に 1 時間あたり 35 個程度、14 日の夜明け頃に 30 個程度の流星が期待できるとのことです。
ペルセウス座は北東の空に上ってきます。でも放射点だけを見る必要はなく、空全体を眺めてください(理由は後述)。
2026 年のペルセウス座流星群については、見る時間帯の組み立て方から街なかでの見え方の実感まで、ペルセウス座流星群2026 ── 街からでも見える?に一本まるごとまとめました。8 月の観察を計画するなら、あわせてどうぞ。
2026年の本命2: ふたご座流星群(12月14日)
ZHR 150 で、三大流星群の中でも最多。条件さえ良ければ「数えるのが追いつかないくらい流れる」のがふたご座流星群です。
2026 年のピークは 12 月 14 日 23 時頃(JST)。月齢 6 で月明かりが弱く、しかも夜半前から夜明けまで観測しやすい時間に集中するため、流星電波観測国際プロジェクトは「久々の好条件」と書いています。「久々」というのは、ここ数年は月明かりや天候で条件が悪かったということです。
ただし 12 月の夜なので寒いです。日本の中緯度なら屋外の体感温度はマイナス近くなるので、親子で見るなら防寒対策が本気で必要:
・ダウン、ニット帽、手袋(手帳サイズの記録ノートと鉛筆を持つ)
・カイロを背中と腰に貼る
・寝そべるためのレジャーシート + 厚い毛布 or 寝袋
・温かい飲み物の魔法瓶
・暖を取りに戻れる屋内(家のベランダや車内)が近くにあると安心
見方の 5 つのコツ(国立天文台準拠)
国立天文台の 「流星群の観察方法」 を読むと、ベテランの観測家でなくても押さえるべきポイントがシンプルに 5 つあります。
1. 月明かりを避ける
これがいちばん大事。月が空にあるだけで、淡い流星はぜんぶ消えます。月のない方向を向くか、月が沈んでからを狙う。今年の二大ピーク(ペルセウス座・ふたご座)は月明かりが弱いので、この点は心配いりません。
2. 放射点だけを見ない、空全体を見る
流星群の名前は放射点のある星座から取られているけれど、流れ星はそこ「から」全方位に広がって流れます。だから空のどこを見ていても流れる ── 放射点から少し離れたあたりのほうが、長い軌跡の流れ星が見えやすいです。
3. 暗順応に最低 15 分
明るい部屋から出て、目が暗さに慣れるまで 15 〜 20 分かかります。観測前にスマホを見るのは特に NG。どうしても見るなら画面の輝度を最小に、できれば「赤色ナイトモード」を使うとダメージが少ないです。
4. 寝そべる + 寒さ対策
首を上に向け続けるのは想像以上に疲れます。レジャーシートやキャンプチェアで体を倒して、視界全部を空にできるようにすると、子供も飽きずに見続けられます。冬は厚い毛布や寝袋がほぼ必須です。
5. 望遠鏡や双眼鏡は要らない
流星は予測できない場所で一瞬光るので、視野の狭い光学機器ではほぼ捉えられません。流星群は「肉眼で空全体を眺める」のが正解です。これは国立天文台もはっきり書いています。
願いごとを 3 回言える流れ星 ── あれは大半が 火球(かきゅう) と呼ばれる、特別に明るくて長く尾を引く流星です。狙って見られるものではないですが、1 シーズンに 1 個でも遭遇できたらかなり当たりです。
都会のベランダから見えるのか?
正直に言うと、都心からだと 淡い流星は光害でほとんど消えます。光害のないキャンプ場で見る 1 時間 35 個と、東京 23 区のベランダで見る 1 時間 35 個は全然違います。後者だと現実的には 1 時間に 2〜5 個になります。
けれど、ゼロではない。明るい流星は都会でも届きます。ペルセウス座流星群やふたご座流星群のピーク夜なら、北東の空が開けていて 30 分眺めていれば、火球級の 1 〜 2 個は見える可能性が十分にあります。
都会で星を見るときのコツは、「都会で星を見る方法」 という記事にまとめてあります。スマホで撮影してみたい人は 「スマホで星を綺麗に撮影する方法」 もあわせてどうぞ。流星は一発勝負なので難しいですが、ナイトモードで連続撮影しておくと火球が偶然写ることがあります。
放射点になる星座を、先に覚えておく
方角の感覚は、放射点になる星座を知っていると一気に楽になります。ペルセウス座は北東〜東、ふたご座は東〜南東、しし座は南東〜南、オリオン座は東〜南。「ペルセウス座流星群はざっくり北東を中心に空全体」と覚えておけば、外に出てすぐ準備ができます。
Gravity Weaver には 30 の星座がステージとして登場します。ペルセウス座、ふたご座、オリオン座、しし座 もすべて入っているので、ゲーム内で形を一度なぞっておくと、夜空でその方向を見たときに「ここから流れ星が広がっている」と直感的に分かるようになります。私たち親子もそうやって覚えました。
2026 年の本気は 8 月のペルセウス座 と 12 月のふたご座。カレンダーに丸を付けておいて、その夜は子供と一緒に夜空に予約を入れておきましょう。
