CRATER

コップ座 ― うみへびの背にのる、アポロンの杯

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Constellation artwork © Johan Meuris / Stellarium — Free Art License (recolored & repositioned for display)

略符
Crt
最も明るい星
Labrum (δ Crt)
観測時期
春(北半球)
面積順位
53rd
日本での見つけやすさ
★★★★☆
見えるが暗い・小さい

概要

コップ座は、春の南の空、うみへび座の長い体の背にのった小さな星座です。面積は88星座中53位で、いちばん明るい星でも4等星(δ星ラブルム、等級3.56)。暗い星座ですが、4等星が杯の形にまとまって並ぶので、暗い空では意外にコップらしく見えます。

古代ギリシャからある星座で、紀元2世紀にプトレマイオスがまとめた48星座のひとつ。ラテン語のクラテル(Crater)は、ギリシャで水とワインを混ぜるのに使った大きな杯を指します。神話では、東どなりのカラス座と、足元のうみへび座と3つでひとつの物語を作っています。

星座の名前のとおり「コップ」の姿を思い浮かべたくなりますが、星座絵に描かれるのは取っ手が2つついた脚つきの大杯です。日本語名の「コップ座」は、この杯(クラテル)を日常語に置き換えたものです。

見つけ方

4月から5月の午後9時ごろ、南の空にしし座とおとめ座を見つけます。おとめ座の1等星スピカから南西へ下ると、4つの星が台形に並ぶカラス座があり、その西(右)どなりにあるのがコップ座です。東京付近では高さ35度ほどにしか昇らないので、南の低い空が開けた場所で探しましょう。

星座線は、うみへびの背にあたる南のα星アルケスとβ星を土台に、δ星ラブルム、γ星が杯の胴、北のθ星と、東のζ星・η星が杯の口と取っ手を作ります。全体は13度ほどの大きさで、コップよりも「ワイングラス」に近い形です。

4〜5等星ばかりなので街の空では見えません。カラス座を先に見つけ、その西側の暗い星のかたまりに双眼鏡を向けるのが確実です。うみへび座の星をたどってくるより、カラス座から探すほうが早く見つかります。

神話と文化

コップ座は、カラス座・うみへび座とひとつの神話で結ばれています。太陽神アポロンは、生贄の儀式のための水をくむよう、使いのカラスに杯(クラテル)を持たせて泉へ送りました。ところがカラスは、泉のそばのイチジクの実が熟すのを待って道草をし、言いつけをすっかり忘れてしまいます。

ようやく戻ったカラスは、泉に水蛇がいて近づけなかったと言い訳し、蛇まで捕まえて持ってきました。嘘を見抜いたアポロンは怒り、カラス・杯・水蛇をまとめて天に上げました。そのうえ、カラスがけっして水を飲めないように、杯は永遠にカラスの届かない位置に置かれています。カラス座の西に杯があり、その足元に水蛇(うみへび座)がいる配置はこの罰を表しています。

中国の星座では、コップ座の星々は二十八宿の「翼宿(よくしゅく)」に属していました。翼宿は南の朱雀(すざく)の翼にあたる星宿で、コップ座からうみへび座・ろくぶんぎ座にかけての22個の星で作られています。

星の豆知識

ラブルム(δ Crt) — コップ座でいちばん明るい3.6等星で、約190光年のオレンジ色の巨星。ラブルムはラテン語で「へり・唇」の意味で、杯のへりにあたる位置からついた名です(IAUの正式名ではなく伝統的な名前)。太陽の20倍以上にふくらんだ、年老いた星です。

アルケス(α Crt) — 名はアラビア語で「杯」を意味する言葉に由来し、星座全体の名前がそのまま星の名前になったものです。約160光年のオレンジ色の巨星で、4.1等。α星なのに星座で3番目の明るさしかありません。

γ Crt — 約85光年の白い星で、小望遠鏡で分離できる二重星として親しまれています。4等の主星のそばに、10等の暗い伴星が5秒角ほど離れて見えます。

NGC 3981 とコップ座の銀河 — コップ座は天の川から離れた方向にあるため、背景に多くの銀河が見えます。NGC 3981は約6,500万光年の渦巻銀河で、片側の腕が引き延ばされたゆがんだ姿をしています。2018年にはVLT望遠鏡がその姿を撮影しました。ほかにも大型望遠鏡向けの銀河が点々とある領域です。

Gravity Weaver での攻略

コップ座は、ゲームでは6ステージ構成の大きめの星座。ラブルム(δ星)から始まり、γ星、アルケス(α星)、θ星、ζ星、β星の順に、杯の胴から土台、口へと灯していきます。星座の登場順はプレイごとに変わり、日本で見つけにくい星座ほどゲームでも出にくくなっています。

主役ギミックは Nebula(減速雲)。杯に満たされた水のように、青緑色のガス雲が通り道に浮かび、太陽のかけらが中を通るあいだ速度をじわじわ奪います。雲を抜けた先で勢いを失って時間切れになりがちなので、雲に入る前に十分な速度をつけておくのがコツです。

6ステージと長い星座なので、後半に重力流とパルサーが加わります。杯の口を作るθ星〜ζ星〜β星の折り返しでは方向転換が続くので、雲に入る前の加速と、折れ点手前の小さな引力場の二段構えで進みましょう。

コップ座を本編で描いて、集めよう

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主な星

星名 バイエル符号 等級 スペクトル型
ラブルム(Labrum)δ Crt3.56K0 III
γ Crtγ Crt4.06A9 V
アルケス(Alkes)α Crt4.07K1 III
β Crtβ Crt4.46A2 III
θ Crtθ Crt4.70B9.5 Vn
ζ Crtζ Crt4.71G8 III
ε Crtε Crt4.83K5 III
η Crtη Crt5.17A0 V

「Gravity Merge」の星座帳にコップ座を灯そう

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