ARA

さいだん座 ― さそりの尾の下に隠れた、神々が誓いを立てた祭壇

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Constellation artwork © Johan Meuris / Stellarium — Free Art License (recolored & repositioned for display)

略符
Ara
最も明るい星
α Ara
観測時期
夏(北半球)
面積順位
63rd
日本での見つけやすさ
★★☆☆☆
本土では地平線すれすれ、沖縄なら見える

概要

さいだん座は、夏の南の空、さそり座の尾のすぐ南にある星座です。面積は88星座中63位。いちばん明るいβ星とα星がともに2.84等で、3等台の星がさらに5つ、せまい範囲に集まっています。ただし北のはしでも赤緯マイナス45度という深い南天にあり、東京付近では星座のほとんどが地平線の下に隠れたまま。沖縄まで下がってようやく主な星がそろって見えます。

紀元2世紀にプトレマイオスが『アルマゲスト』にまとめた48星座のひとつで、ギリシャ語では香炉を意味する「テュミアテリオン」、アラトスの詩では短く「テュテリオン」と呼ばれました。1603年のバイエルの星図は位置の誤りが大きく、1750年代に喜望峰で南天を観測したラカイユが測り直して符号を振り直しました。いまのギリシャ文字はラカイユのものです。

星座の中を天の川が流れているため、散開星団NGC 6193や太陽系に近い球状星団NGC 6397など望遠鏡向きの天体がそろい、塵の奥には銀河系で最も重い若い星団とされるウェスタールンド1も隠れています。

見つけ方

7月下旬から8月上旬の午後9時ごろ、南の空にさそり座を探します。尾の先の毒針にあたる2等星シャウラ(λ星)からほぼ真下へおよそ13度、こぶし1つ分あまり下がったところに、α星・θ星・β星の3つの星(2.8〜3.7等)がつくる三角形があれば、それがさいだん座の北側です。

問題は高さです。東京(北緯35.7度)での南中高度は「90 − 35.7 + 赤緯」で求まり、α星(赤緯マイナス49.9度)とθ星(マイナス50.1度)は南中してもわずか4度ほど。β星(マイナス55.5度)は地平線の上に出ず、ζ・γ・δ・η星も同じです。本州では、ステージの星のうち祭壇の上のふちのα・θ星が4度ほど、ε1星が1度ほどまで上がって地平線をかすめるだけです。那覇(北緯26.2度)なら、α星は約14度、β星も約8度まで上がります。

沖縄や南半球では、さそりの尾から南へ視線を下ろし、天の川の帯の中に三角形を探してください。低空はかすみで星が暗く見えるので、南に海が開けた場所と月のない澄んだ夜を選ぶこと。

神話と文化

ギリシャ神話では、この祭壇は神々自身が使った特別なものです。エラトステネスやマニリウスによると、ゼウスとその兄弟たちは、父クロノスの率いるティタン族との戦い(ティタノマキア)の前にこの祭壇で旧い支配を打ち倒す誓いを立て、勝ったゼウスが感謝のしるしに祭壇を空に上げたと伝えられます。ただし、ティタノマキアを語るヘシオドスの『神統記』には、この誓いの場面は出てきません。

もうひとつの説明では、隣のケンタウルス座のケンタウロス(賢者ケイロン)が、槍で捕らえた野獣(おおかみ座)を捧げる祭壇とされます。祭壇は北に台、南に炎という、北半球から見ると逆さまの姿で描くのが古くからの決まりで、その上を流れる天の川を祭壇の煙に見立てたとも言われます。アラトスは、ほかの星が雲にかすんでもこの星座が輝くなら南風の嵐に備えよ、と船乗りへの忠告に使いました。

中国では、ε・γ・δ・η・ζの5星が尾宿の星官「亀(き)」で、天の川に住む食用のカメ。σ・α・β・θの4星は箕宿の星官「杵(しょ)」で、米をつく杵にあたり、北のいて座にある殻をふるうざる「箕(み)」と対になっています。日本では1910年の『天文月報』に「祭壇」の訳語が見え、1952年に日本天文学会がひらがなの「さいだん」を定めました。

星の豆知識

α Ara と β Ara — 同じ2.84等に並ぶ2つの星は、中身がまったく違います。α星は約270光年にある青白いB型星で、赤道で秒速およそ470 kmという、ちぎれる寸前の速さで自転し、はじき出したガスの円盤に囲まれた「Be星」。いっぽうβ星は約700光年の彼方にあるオレンジ色のK型超巨星で、半径は太陽の140倍ほど。近くの速い星と遠くの巨大な星が、たまたま同じ明るさに見えているわけです。

祭壇の台の星たち — β星の真南1度足らずにあるγ星(3.31等)は、太陽の12倍以上の質量をもつ青色超巨星。ゲームではβに近すぎるためγ星をステージにしていません。δ星(約200光年)は青白い星に暗い伴星が約2.5年で回る連星、η星(約300光年)とζ星はオレンジ色のK型巨星で、祭壇の台には青い星と橙の星が交互に並びます。

セルバンテス(μ Ara)と星団たち — 5.1等のμ星は約51光年にある太陽に似た星で、4つの惑星が見つかっています。2015年のIAUの命名キャンペーン「NameExoWorlds」で、スペインのプラネタリウムの提案により、主星に作家セルバンテス、惑星に『ドン・キホーテ』の登場人物の名がつきました。散開星団NGC 6193は約4,000光年にある若い星団で、星雲NGC 6188を光らせています。球状星団NGC 6397は約7,800光年と、太陽系にもっとも近い球状星団のひとつです。

Gravity Weaver での攻略

さいだん座は、ゲームでは7ステージ構成の星座。祭壇の上のふちのα星から始まり、東のθ星、折り返して南のβ星、西のε1星、ζ星、いちばん南のδ星、最後に西のη星と、祭壇の台を組み上げるように灯していきます。星座の登場順はプレイごとに変わり、日本で見つけにくい星座ほどゲームでも出にくくなっています。

主役ギミックは Strong BH(強重力ブラックホール)。通常のブラックホールに加えて、質量2.5倍の赤橙色のブラックホールが1つ加わります。加速して青くなった太陽のかけらでも振り切れないので、いつもの「勢いでかすめて抜ける」手は通じません。赤橙色から離れた側を大きく回り込む引力場を先に置くのがコツで、θ星からβ星へ戻る長い投擲は外へふくらませてから戻しましょう。

中盤からは Pulsar(パルサー)が加わります。中心の点滅と同心円リングが次の発射を予告し、発射中は太陽のかけらと隕石が外側へ押し出されます(破壊はされません)。ε1星からζ星への短い区間は、「無音時間」にまっすぐ投げれば十分です。後半の板隕石は、ζ星からδ星、η星へ祭壇の台を渡る長い区間で進路を横切ります。板の進路を見てから引力場を置き、ひとつ待って一気に渡る判断が手数の差になります。

さいだん座を本編で描いて、集めよう

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主な星

星名 バイエル符号 等級 スペクトル型
α Araα Ara2.84B2 Vne
β Araβ Ara2.84K0/1 Ib
ζ Araζ Ara3.12K5 III
γ Araγ Ara3.31B1 Ib
δ Araδ Ara3.60B8 V
θ Araθ Ara3.65B2 Ib
η Araη Ara3.77K5 III
ε1 Araε1 Ara4.06K4 III
セルバンテス(Cervantes)μ Ara5.12G3 IV-V

「Gravity Merge」の星座帳にさいだん座を灯そう

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