SCUTUM

たて座 ― 天の川の輝きに置かれた王の盾

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Constellation artwork © Johan Meuris / Stellarium — Free Art License (recolored & repositioned for display)

略符
Sct
最も明るい星
α Sct
観測時期
夏(北半球)
面積順位
84th
日本での見つけやすさ
★★★★☆
見えるが暗い・小さい

概要

たて座は、夏の宵の南の空、わし座といて座のあいだにある小さな星座です。面積は88星座中84位で、小さい順に数えて5番目。4等星が4つ並ぶだけの控えめな姿ですが、背景に天の川の特に明るい部分「たて座の星雲」(スクータム・スタークラウド)が広がっていて、暗い空では星座の一帯がぼんやり光って見えます。

星座としての歴史は新しく、1684年にポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスが学術誌で発表して設けました。前年の1683年、オスマン帝国軍に包囲されたウィーンを救ったポーランド王ヤン3世ソビエスキをたたえて「ソビエスキの盾」と名づけたもので、実在の人物にちなんで作られ、いまも残っている数少ない星座です。

小さい星座ながら、双眼鏡や望遠鏡での見どころは豊かです。星がぎっしり詰まった散開星団「野鴨星団」M11、散開星団M26、明るさが大きく変わる変光星R星があり、δ星は「たて座δ型変光星」という分類の名前になっています。

見つけ方

8月の午後9時ごろ、南の空でわし座のアルタイルを見つけたら、そこから南へ20度ほど(握りこぶし2つぶん)視線を下ろします。わし座の尾の星λ星のすぐ西、いて座の「ミルクディッパー(南斗六星)」の北にあたる一帯がたて座です。東京付近では高さ45度ほどに上がります。

星座線は4等星4つのゆるい四角形なので、街の空で線をたどるのは難しいでしょう。むしろ、暗い空でこの一帯を見上げると天の川がひときわ明るくにじんで見えるので、その「にじみ」自体を目印にするのが早道です。

双眼鏡を向けると、四角形の北東の隅、β星のすぐ南東(2度足らず)に、小さくぎっしりと詰まった光のかたまりが見つかります。それが野鴨星団M11です。天の川の星の粒の中でもひときわ密なので、初めての人でも見分けられます。

神話と文化

たて座にギリシャ神話はありません。ヘヴェリウスが1684年に学術誌で「ソビエスキの盾(Scutum Sobiescianum)」として発表した星座で、盾にはソビエスキ家の紋章にちなむ十字が描かれていました。1683年のウィーンの戦いで、ヤン3世ソビエスキ率いる軍がオスマン帝国の包囲を破った功績を記念したものです。

王はヘヴェリウスの天文台がグダニスクの大火で焼けたあと、再建を支援した恩人でもありました。星座名から「ソビエスキの」が落ちて単に「たて座(Scutum)」となったのは、1879年にアメリカの天文学者ベンジャミン・グールドが星表に短い名で収録してからです。

中国の星座では、この一帯の星は「天弁(てんべん)」という、市場の役人を表す星官に含まれていました。α星の名として国際天文学連合が採用した「Tianbian(天弁)」はここに由来します。

星の豆知識

野鴨星団(M11) — 約6,000光年にある、天の川銀河でも指折りに星の多い散開星団です。3,000個近い星が密集していて、小望遠鏡ではV字型に並ぶ星の群れが飛ぶ野鴨の隊列に見えることから名づけられました。年齢は約2億年と、散開星団としては年長です。

δ Sct — 約200光年の星で、4.6〜4.8等のあいだを4時間40分という短い周期で脈動する変光星です。同じように数時間の周期で脈動する星のグループは「たて座δ型変光星」と呼ばれ、恒星の内部を調べる手がかりになっています。

R Sct — 明るさが4.2等から8.6等まで変わる黄色の超巨星で、約146日の周期で深い減光と浅い減光を交互に繰り返す「おうし座RV型変光星」の代表格です。明るい時期は双眼鏡で楽しめます。

たて座の星雲(スクータム・スタークラウド) — 星雲と呼ばれますが、実際は天の川の星が濃く見える領域です。天の川銀河の内側の腕を見通す方向にあたるため、視線上に星がたくさん重なって明るく見えます。写真ではいて座の星雲と並んで、夏の天の川のいちばん濃い部分になります。

Gravity Weaver での攻略

たて座は、ゲームでは4ステージ構成の星座。α星から始まり、δ星、β星、γ星の順に盾の四角形をたどります。星座の登場順はプレイごとに変わり、日本で見つけにくい星座ほどゲームでも出にくくなっています。

主役ギミックは Stream(重力流)。天の川の流れのように画面を横切るシアン色の流れが、太陽のかけらを矢印の向きに加速させます。四角形の星は近いので、流れに乗せすぎると勢いが余ってブラックホールに吸われます。流れの手前で引力場をひとつ置き、必要なぶんだけ乗るのがコツです。

4ステージと短いので、パルサーや減速雲が加わる後半でも手数はかさみません。盾らしく、大きな引力場ひとつで守る配置を試してみてください。

たて座を本編で描いて、集めよう

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主な星

星名 バイエル符号 等級 スペクトル型
α Sctα Sct3.85K3 III
β Sctβ Sct4.22G5 II
ζ Sctζ Sct4.66K0 III
γ Sctγ Sct4.67A1 IV-V
δ Sct(変光星)δ Sct4.6〜4.8F2 III
η Sctη Sct4.83K1 III
ε Sctε Sct4.88G8 II

「Gravity Merge」の星座帳にたて座を灯そう

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