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Constellation artwork © Johan Meuris / Stellarium — Free Art License (recolored & repositioned for display)
ポンプ座は、春の宵に南の低い空へ顔を出す小さな星座です。面積は88星座中62位(約239平方度)。うみへび座の長い体とほ座のあいだ、ケンタウルス座の西にあります。いちばん明るいα星でも4.28等で、4.7等より明るい星はほかにε星とι星の2つだけ。東京付近ではα星が南中しても高さ約23度と低く、南の空が暗く開けた場所でなければ姿をたどれない、目立たない星座です。
18世紀半ば、フランスの天文学者ニコラ=ルイ・ド・ラカイユが、南アフリカの喜望峰で1751年から52年にかけて南天の星を観測したあとに設けた近代星座のひとつです。1756年に発表した南天の星図にフランス語で「ラ・マシーヌ・プヌマティック(空気ポンプ)」と記し、1763年の星図でラテン語の「アントリア・プネウマティカ」に改めました。1844年にイギリスのジョン・ハーシェルが一語に短くすることを提案し、以来アントリア(Antlia)と呼ばれています。星は暗いものの、渦巻銀河NGC 2997やポンプ座銀河団など、銀河の見どころは豊かです。
4月中旬の午後9時ごろ、南の空の低いところに目を向けます。目印は、春の南の空でぽつんと光るうみへび座の2等星アルファルドです。アルファルドから南東(左下)へうみへび座の体をたどり、その体と南の地平線のあいだ、地平線から20度あまりの高さにポンプ座があります。東京付近ではα星で高さ約23度、ι星は約17度、ε星は約18度にしか上がりません。時期をずらすなら、3月は深夜、5月は日暮れ後まもなく南中します。
星座線は、α星を頂点に、南東のι星と南西のε星をつないだ浅い「へ」の字です。ι星はα星から南東へおよそ9度、ε星は南西へおよそ13度離れていて、全体の幅は18度ほど。3つとも4等台のオレンジ色の巨星なので、暗い空では平たく横に広がった「へ」の字として見つかります。
街の空では3つの星とも見えません。うみへび座の体の真下を双眼鏡でゆっくり流すと、オレンジ色の星が視野に入ります。北緯49度より南なら星座の全域が見えるので、日本では沖縄から北海道まで、どこからでも星座全体を見ることができます。
ポンプ座に古代の神話はありません。ラカイユが南天に設けた14星座のひとつです。そのほとんどは望遠鏡・顕微鏡・時計・らしんばんなど科学と技術の道具で、ポンプ座がかたどっているのは17世紀に真空の実験に使われた空気ポンプです。1658年ごろ、イギリスのロバート・フックがロバート・ボイルのために実験用の空気ポンプを作りました。星図に描かれているのは、シリンダーが1本だけの簡素なポンプ。フランスの物理学者ドニ・パパンが、1670年代前半のパリでの真空実験に用いた型です。パパンはその後1675年にロンドンのボイルのもとへ移り、シリンダーを2本にした改良型を作っています。
中国の星座では、ポンプ座の南部の星々は「東甌(とうおう)」という、中国南部の地方の名を冠した星官の一部でした。ε星・η星・θ星は、皇帝の祖先をまつる霊廟「天廟(てんびょう)」に組み入れられていました。日本語名は、1910年の『天文月報』に「排気器」として載り、「空気ポンプ」と呼ばれた時期を経て、1952年に日本天文学会がカタカナの「ポンプ」を正式な名前に定めました。
α Ant — 約370光年の距離にある4.28等のオレンジ色の巨星で、スペクトル型はK4 III。半径は太陽の40倍ほどに膨らみ、太陽の400倍以上の明るさで輝いています。星座でいちばん明るい星なのに4等台という暗いα星で、固有名もついていません。
ι Ant と ε Ant — ι星は約200光年にある4.60等のオレンジ色の巨星で、中心でヘリウムを燃やす段階にある年老いた星です。2025年に視線速度法で、木星より重い惑星が2つ見つかりました。周期は約2.3年と約6.8年です。ε星は約700光年の遠くにある4.51等のオレンジ色の巨星で、半径は太陽の50倍を超えます。3つの星は同じ色に見えますが、距離は約200光年・約370光年・約700光年とばらばらです。
ポンプ座の銀河たち — NGC 2997は約4,000万光年の渦巻銀河で、10等台。二本の腕が対称に巻いた「グランドデザイン渦巻」の代表格です。ポンプ座矮小銀河は1997年に矮小銀河と確かめられた約430万光年の小さな銀河で、局部銀河群の外縁にあります。2018年には探査機ガイアのデータから、天の川銀河の伴銀河アントリア2が見つかりました。約40万光年にあって大マゼラン雲と同じくらいの大きさなのに、明るさはその1万分の1という、知られている中で最も表面輝度の低い(淡く広がった)銀河です。ポンプ座銀河団(Abell S0636)は約1億3,300万光年にある230ほどの銀河の集まりで、おとめ座銀河団・ろ座銀河団に次いで局部銀河群から3番目に近い銀河団です。
ポンプ座は、ゲームでは3ステージ構成の短い星座。α星から始まり、南東のι星、そこから南西のε星の順に、浅い「へ」の字を灯していきます。星座の登場順はプレイごとに変わり、日本で見つけにくい星座ほどゲームでも出にくくなっています。
主役ギミックは Stream(重力流)。ポンプが空気を送るように、画面を横切るシアン色の流れが太陽のかけらを矢印の向きに加速させます。α星からι星への序盤は短い距離なので、流れに乗るかどうかを先に決めましょう。向きが合えば少ない手数で届きますが、勢いのまま流れの先のブラックホールへ向かうと引力を振り切れません。流れの手前で進入角を整え、抜けた先に小さな引力場を置いて受け止めるのがコツです。
後半には Strong BH(強重力ブラックホール)とPulsar(パルサー)が加わります。質量2.5倍の赤橙色のブラックホールは、加速して青くなったかけらでも振り切れないので、流れの出口がその近くを通るなら、乗る位置を手前にずらして引き込まれる前に抜けましょう。ι星からε星へは、α星の下を通り越して横に長く渡る投擲になります。パルサーの点滅と同心円リングで次の発射を読み、「無音時間」に流れで距離を稼いで、ゴール手前で引力場に受け止めさせる二段構えが安定します。
ポンプ座を本編で描いて、集めよう
PLAY GRAVITY WEAVER| 星名 | バイエル符号 | 等級 | スペクトル型 |
|---|---|---|---|
| α Ant | α Ant | 4.28 | K4 III |
| ε Ant | ε Ant | 4.51 | K3 III |
| ι Ant | ι Ant | 4.60 | K0 III |
| θ Ant | θ Ant | 4.78 | A7 V |
| η Ant | η Ant | 5.23 | F1 V |
| HR 4086 | HR 4086 | 5.34 | A8 V |
| HR 4313 | HR 4313 | 5.43 | A0 V |
「Gravity Merge」の星座帳にポンプ座を灯そう
PLAY GRAVITY MERGE