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ろ座 ― エリダヌスの川の曲がりに据えられた、化学者の炉

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Constellation artwork © Johan Meuris / Stellarium — Free Art License (recolored & repositioned for display)

略符
For
最も明るい星
α For
観測時期
冬(北半球)
面積順位
41st
日本での見つけやすさ
★★★☆☆
南の低空にだけ上がる

概要

ろ座は、冬の宵に南の低い空へ上がる、目立たない星座です。面積は88星座中41位と中くらいですが、いちばん明るいα星ダリムでも3.85等で、4等より明るい星はこの1つだけ。くじら座の南、エリダヌス座の川が大きく曲がるところの内側に収まり、東・北・南の三方を川に囲まれています。東京付近ではダリムが南中しても高さ約25度ですが、星座の全域が地平線の上に出るので、日本のどこからでも姿を追えます。

18世紀半ば、フランスの天文学者ラカイユが南アフリカの喜望峰で南天を観測したあとに設けた近代星座のひとつです。1756年の星図ではフランス語で「ル・フルノー(炉)」、1763年の版ではラテン語で「フォルナクス・キミアエ(化学の炉)」と記され、1845年にイギリスのベイリーがジョン・ハーシェルの提案で現在の「フォルナクス」に短くしました。天の川から遠く離れた「宇宙の窓」にあたり、約6,200万光年先のろ座銀河団や、ハッブル宇宙望遠鏡が宇宙の最深部を写した「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド」がこの星座にあります。

見つけ方

南中は、12月中旬なら午後9時ごろ、11月中旬なら午後11時ごろ、1月中旬なら午後7時ごろです。目印はオリオン座の1等星リゲル。そこから右下(南西)へおよそ35度、こぶし3つ半ほど下がった位置がダリムです。東京付近では、南中してもダリムで高さ約25度、南西のβ星は約22度と低いので、南の地平線が開けた場所が要ります。

星座線は3つの星だけの折れ線です。東のダリムから南西へ6度ほど下がってβ星(4.45等)、そこから西北西へ10度ほど進んでν星(4.68等)に戻る、浅いV字の形をしています。ダリムは黄白色、β星は黄色、ν星は青白色と、3つの星の色が違うのも、暗い空で見比べたときの楽しみです。

街の空では、4等星と5等星ばかりのこの星座は見えません。リゲルからくじら座の胴体へ視線を下げ、エリダヌス座の4等星が連なる「川」を双眼鏡でたどると、川に囲まれた星のまばらな暗い区画、ろ座が見つかります。月のない夜に、南が海や平野へ開けた場所へ出かけるのが近道です。

神話と文化

ろ座にギリシャ神話はありません。ラカイユは南天に、望遠鏡や顕微鏡など、当時の科学と技術を象徴する道具の星座を14設けました。ろ座はそのひとつで、火のついた炉の上に蒸留器(アランビック)を据えて受け器をつないだ、実験室の蒸留炉をかたどっています。

「化学の炉」という名前から、近代化学の父ラボアジエをたたえた星座だと説明する本もあります。しかしラカイユが星図を発表した1756年、ラボアジエはまだ13歳の少年でした。この結びつきは、1801年にドイツのボーデが星図『ウラノグラフィア』でこの星座を「化学装置」と呼び、ラボアジエが水を分解した実験装置の図を手本に描き直したことから生まれた、後世の解釈と考えられています。

中国では、ν星をふくむ3つの星を、二十八宿の婁宿(ろうしゅく)に属する星官「天庾(てんゆ)」(穀物の倉)とする説があります。日本語名は1908年の『天文月報』に「舎密爐(せいみろ)」として現れました(舎密はオランダ語のchemie=化学の音写)。1910年に「爐」と改められ、1952年に日本天文学会がひらがなの「ろ」を正式な星座名と定めました。

星の豆知識

ダリム(α For) — 約46光年にある黄白色の星で、太陽より少し重い星です。実は連星で、7等ほどの伴星が270〜280年ほどの周期で主星のまわりを回っていて、小望遠鏡でも分離できます。固有名ダリムは、アラビア語で雄のダチョウを意味する「アル・ザリーム」に由来し、IAUが2017年に正式名として承認しました。

β For と ν For — 南西のβ星は約177光年にある黄色い巨星で、中心でヘリウムを燃やす「赤色クランプ」の段階にある年老いた星です。西のν星は約370光年にある青白いB型星で、明るさは太陽の245倍ほど。ケイ素の多い化学特異星で、1.89日の自転にともなって0.05等ほど明るさが変わります。

ろ座銀河団とハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド — 約6,200万光年先のろ座銀河団は、1億光年以内ではおとめ座銀河団に次いで豊かな銀河の集団で、およそ60個の銀河を数えます。いちばん明るいNGC 1316は「ろ座A」の名で知られる電波銀河で、全天で4番目に強い電波源。「大棒渦巻銀河」の異名をもつNGC 1365も名物です。さらに遠くを見たのが、2003〜04年にハッブル宇宙望遠鏡が満月の直径の10分の1ほどの幅の区画に合計11日分の露光を重ねた「ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド」で、およそ1万個の銀河が写りました。手前に明るい星や塵が少ないからこそ選ばれた場所で、2024年にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、そのすぐ隣の空で宇宙誕生から約3億年後の銀河JADES-GS-z14-0を確認しています。

Gravity Weaver での攻略

ろ座は、ゲームでは3ステージ構成の短い星座。ダリム(α星)から始まり、南西のβ星、西のν星の順に、浅いV字の折れ線を灯していきます。星座の登場順はプレイごとに変わり、日本で見つけにくい星座ほどゲームでも出にくくなっています。

主役ギミックは Pulsar(パルサー)。炉の火が脈打つように、中心の点滅と同心円リングが次の発射タイミングを予告し、パルス発射中は太陽のかけらと隕石が外側へ押し出されます(破壊はされません)。リズムを読んで「無音時間」に通過するのがコツです。ダリムからβ星への最初のステージは短いので、リングが広がりきった直後に引力線でまっすぐ投げれば届くことが多く、手数を節約できます。

β星からν星へは、実際の空でも最初の区間の倍近い長さがあり、ゲームでも長距離の投擲になります。ここで加わる 重力流(Stream) は、向きが合えば少ない手数で距離を稼げる味方です。流れの手前で進入角を整え、パルサーの無音時間に合わせて一気に乗りましょう。後半に Nebula(減速雲) が置かれたら、雲に入る前に流れで速度をつけ、ゴール手前で小さな引力場に受け止めさせる二段構えが安定します。

ろ座を本編で描いて、集めよう

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主な星

星名 バイエル符号 等級 スペクトル型
ダリム(Dalim)α For3.85F8 V
β Forβ For4.45G8 III
ν Forν For4.68B9.5p
ω Forω For4.96B9 V
δ Forδ For4.99B5 III
φ Forφ For5.13A2/A3 V
κ Forκ For5.19G2 V
μ Forμ For5.27A0 V
π Forπ For5.34G8 III

「Gravity Merge」の星座帳にろ座を灯そう

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